アメアスポーツジャパン株式会社が運営する、アウトドアブランド「ARC’TERYX(以下、アークテリクス)」では、D2C(Direct to Consumer)への注力をきっかけに、オムニチャネル化を推進し、Shopify – スマレジ会員情報連携アプリ「Omni Hub」をご導入いただきました。

アークテリクスが、オムニチャネル化を実現された背景や、Omni Hub導入後のご感想、今後の展望について、アメアスポーツジャパン株式会社 大村様、山崎様にお話を伺いました。

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ARC’TERYX(アークテリクス)

ARC’TERYX(アークテリクス)は、カナダ・バンクーバーにて1989年に設立した、プレミアム・アウトドアブランド。2人のクライマーがより快適なハーネスを求めてスタートしたRock Solid社が原点。1991年社名をARC’TERYXと改名し誕生した。その特徴的なロゴマークはARCHAEOPTERYX(アーキオプテリクス)と呼ばれる「始祖鳥」の化石がモチーフ。進化の過程で空を飛ぶようになったトカゲのように常に進化を追求し、革新的な技術で、高いパフォーマンスを発揮する製品を創り出してきた。
オンラインストア:https://arcteryx.jp/

インタビュイー

アメアスポーツジャパン株式会社 アークテリクス E-com マネージャー 大村 千晴様
アメアスポーツジャパン株式会社 Digital CRM Team 山﨑 徹也様        


店舗とECのポイントプログラム共通化に向け「Omni Hub」を導入


大村様:アークテリクスは、カナダのバンクーバーで誕生したアウトドアブランドです。クライミングやトレイルランニング用のウェアやギアをメインに、最近では街で着るウェアやバックパックなども展開しています。

アメアスポーツジャパン株式会社でアークテリクスの販売をはじめたのは、約10年前になります。
当初は、リテール(実店舗)とホールセール(卸し)のみで、ホールセールがメインでしたが、その後、リテールが成長し、7年程前にECを立ち上げました。

ECを立ち上げた当初は、本国のプラットフォームを使い、グローバルサイトを日本向けに少しカスタマイズをしている状態でした。そのため、フレキシビリティはほとんどなく、商品のアップデートや、些細なサイトの改修であっても本国で対応してもらわなければならず、どうしても依頼から更新までに時間がかかってしまうような状況でした。

そのような状況を改善していかなければと考えていたため、2年程前に、以前使用していたシステムの契約更新のタイミングで、日本でローカライズできるようにプラットフォームを「Shopify」に切り替えました。

大村様:以前は、EC(Shopify)ベースの顧客データと、リテール店舗の旧ポイントアプリに紐づく顧客データと、2つの顧客データベースが存在していました。これを1つのデータベースに統合して、顧客により良いサービスを提供したいと考えたのがスタートです。

もともと実店舗では、ポイントシステムを運用していたのですが、ポイントは実店舗でしか使えず、お客さまから『店舗で貰ったポイントをオンラインで使えないか?』というお問合せをいただくことも多かったです。
店舗で運用していた旧ポイントアプリは、Shopifyとも連携ができなかったため、店舗とECで共通したポイントプログラムにするため、システムの切り替えの検討をはじめました。

はじめはスクラッチ開発を考えて見積もりを取得したのですが、想像していた以上に高額で、「この方法で進めるのは、ちょっと難しいかな」と感じていました。
そんな中、R6Bさんから「Omni Hub」や、Stack社さんのShopifyアプリ「VIP」と「Appify」をご紹介いただいたことで、スクラッチ開発よりもコストを抑えつつ、ポイントプログラムの共通化が実現できるとわかり、アプリの導入を決定しました。

アプリ導入とシステム移行時には、フィードフォースさんはじめ、R6Bさん、Stackさん、スマレジさんなど、関係会社さんと密に連絡を取りつつ連携して進めることができたので、最初にアプリをご紹介いただいてから4カ月程で、ポイントプログラムとモバイルアプリの切り替えを完了させることができました。

「D2Cへのフォーカス」を指針に、部門の垣根を越えてオムニチャネル化を推進


大村様:オムニチャネル化のプロジェクトを進めるにあたって、チャネルの違いによって「議論」になるようなことは、ほとんどありませんでしたね。というのも、ここ数年のEC市場の拡大や、D2C(Direct to Consumer)の普及といった変革の中で、当社の方向性も、ブランドストーリーをオフラインでもオンラインでも一貫性をもってお客様に伝えていこうという考えがより強くなってきていました。

オフラインとオンラインで適切な顧客接点を作るためには、ECとリテールで分断されていたお客さまの情報を一元化し、それを元に、適切なCRMやマーケティング施策を行う必要がある。とプロジェクト全体で共通の認識が得られていたからだと思います。

実際に導入してみると、Shopifyの場合アプリ毎のコストがわかりますので、リテールでしか使っていないアプリのコストはリテールに振り分けるなど、コストの調整も柔軟に対応できています。

Omni Hubの導入効果「顧客解像度の向上とLTVの精緻化」


大村様:「お客さまの情報を店舗とECで連携している」ことについての費用対効果を評価するのは難しいのですが、オムニチャネル化やアプリ導入により、最も良かったと感じている点は、ファンとなっていただけているお客さまの解像度がより上がったことです。

たとえば、ある商品のすべてのカラーバリエーションを購入されているようなお客さまもいらっしゃいます。データを見た時には、大変驚いたのですが、「アークテリクスのファンの購買行動」が可視化されたなと思った瞬間でした。

加えて、より多くのお客様に公平に商品を手に取っていただく為にも、抽選販売なども活用しつつ、まだまだ取り組みの試行錯誤を進めている最中ですが、このようなアクションが取れるようになったことも、大変有益だと感じています。

山崎様:これまでもECでは、一顧客のLTVは重要な指標として見れてはいたのですが、今回のOmni Hubやスマレジ、VIPの導入によって、オンラインだけでなく実際にお店に足を運んで下さっているお客さまのデータも統合され、より精緻なLTVが得られるようになりました。

これから「D2C」に注力していくにあたっても、新たなマーケティング施策を検討、実施していく上で、見るべき重要な指標がより正確になった点はとても良かったと感じています。

大村様:弊社では、複数のブランドを取り扱っており、SALOMON、PeakPerformanceでも同様に店舗とECでの顧客情報一元化を必要としていますので、Omni Hubを利用開始することにしています。

お客さまの購買行動はどんどん変化していくと思いますし、転売対策などブランドとして対処すべき課題もたくさんあります。
今後も継続的にそのような課題に一緒に向き合っていただき、アプリのアップデートや弊社側の対策の提案など、私たちと伴走していただけるような取り組みができると嬉しいですね。

山崎様:今後、アークテリクスの店舗が増えてきた時に、実店舗が起点になるようなお客さまも当然増えてくると考えています。
その時に、スタッフがヒアリングしながらお客さま情報をスマレジに入力することで、その情報がShopify側に連携されるような仕組みができると便利だなと思っています。

他にも、店舗スタッフとしては、お客さまの年代や性別、どういった商品カテゴリを好んでいるお客さまなのかというような属性情報をレジ側で補完していきたいと思いますので、そのような情報も、スマレジからShopify側に連携できると有難いなと思っています。

アークテリクスのファンが本当に喜ぶメンバーシッププログラムを届けていく


大村様:メンバーシッププログラムの特典として、「ポイント還元」はもちろん嬉しいと思うのですが、アークテリクスの商品をご愛用いただいているファンのみなさまにとっては、たとえば通常では購入できない「会員限定グッズ」のような、「ファンのみが得られる嬉しい特典」の方が、より喜んでいただけるのではないか?と考えています。
今後、「ポイント還元」だけではない、ファンのみなさまに本当に喜んでもらえる特典も検討していきたいなと考えています。

また、将来的には、会員ランクの高い方々に向けた「会員限定コンシェルジュサービス(※1)」として、チャットでのお客さま対応や、実店舗のラウンジルームなどを計画しています。

現在のオムニチャネル化のアプリ構成にチャットサービスを組み込むことで、お問い合わせが入った際にお客さまの購買履歴や会員ランクなどの情報が参照できるようになります。これにより、アークテリクスのファンであるお客さまには、より適切な情報をお伝えできるなど、さらに充実した接客ができるようになるかなと考えています。

(※1)メンバーシッププログラム「ARC’TERYX BIRD CLUB」

ARC’TERYX BIRD CLUB ステージ別特典一覧(2023年11月時点)

※この記事は、2023年6月に実施したインタビューに基づいて作成したものです。
※記事の内容は掲載時点のものです。


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ARC’TERYXについて


アメアスポーツは、フィンランド・ヘルシンキに本社を置く、スポーツ用品・関連機器の総合企業。傘下のブランドの1つであるARC’TERYX(アークテリクス)は、アウトドアアクティビティを楽しむ方へのアパレルやギアはもちろん、アーバンラインとしてVEILANCE(ヴェイランス)も取り扱う。
現在国内16店舗と自社オンラインストアを運営。

会社名:アメアスポーツジャパン株式会社
所在地:東京都新宿区新宿6丁目27番30号 新宿イーストサイドスクエア6F
代表者:Sean Hillier(ショーン・ヒリアー)
業務内容:スポーツ用品・機器及びその関連商品の製造、輸入、販売
Webサイト:https://arcteryx.jp/

オムニチャネル会員連携アプリ「Omni Hub」について


「Omni Hub」(オムニハブ)は、「店舗とECをつなぎ、購買体験をアップデートする」をミッションに掲げる、オムニチャネルでの顧客体験向上に貢献するアプリです。初期費用なし、開発不要でShopifyで構築したオンラインストアとスマレジで管理する店舗の間で顧客情報を一元化することで、共通でのポイント施策実施やメッセージ配信など、顧客体験の向上による売上増加をご支援しています。

本アプリは、Shopify Experts、スマレジ Developers Expertに認定されている株式会社フィードフォースが提供しています。(※2つの認定を有している国内唯一の企業です。)

「Omni Hub」サービスサイト : https://omni-hub.jp/
「Omni Hub」Shopifyアプリページ:https://apps.shopify.com/omni-hub?locale=ja
「Omni Hub」スマレジアプリページ : https://apps.smaregi.jp/apps/114
「Omni Hub」サポートページ:https://omni-hub.notion.site/Omni-Hub-00d28b314cfa4b27b4e1f470be99ac4b