株式会社YSM様では、インフルエンサーの齊藤早紀さんがプロデュースするアパレルブランド「Darich(ダーリッチ)」や、コスメブランド「SELVE(セルブ)」を運営しています。

「Darich」では、顧客情報の一元化と店舗とオンラインストアでのポイント共通化実現のために、2022年4月にオンラインストアをShopifyへ移行し、オムニチャネル会員連携アプリ「Omni Hub」や、会員プログラムアプリの「VIP」を導入し、オムニチャネル化を実現しました。
この「Darich」の実績を活かし、2023年5月に立ち上げた「SELVE」でも、オムニチャネルでの顧客管理を行っています。

「Darich」がオムニチャネル化を推進した背景や、今後の展望について、株式会社YSM 取締役 石原様にお話を伺いました。

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Darich(ダーリッチ)

“大人のピンク” 女性は本能的にピンクが好き。でも大人になるにつれピンクのお洋服は、、、そんな概念を払拭する、大人の為のピンクアイテムを中心に一つのテイストに捉われることなく、カジュアル・セクシー・フェミニンの三軸を融合したエキセントリックなファッションを展開するプライベートブランド。
オンラインストア:https://www.darich.shop/

インタビュイー

株式会社YSM 取締役 石原 亮祐様


「後世に残るブランドにするために」Darich成長の要因はモノづくりに対する想い


「Darich」は、インフルエンサーの齊藤早紀がプロデューサーを務めるアパレルブランドです。

もともと「Darich」は、当社代表の向井とプロデューサーの齊藤が、2016年にプライベートブランドとして始めました。その翌年、2017年の5月に株式会社YSMを設立し法人化しました。

代表の向井は広告代理店出身で、広告代理店で培った「モノを売るノウハウ」を活かして事業の立ち上げを考えていた際、インフルエンサーとして注目され始めていた齊藤と共に「アパレル」を一緒にやろうという形で、ブランドを立ち上げました。

向井と齊藤は、齊藤が以前アパレルブランドに勤めていた時代に、向井も同じショップでアルバイトをしていたという繋がりがあり、二人はそこからの知り合いです。

私の担当領域としては「ECに関する全て」という感じです。他にも、店舗や出店しているモールなどで使うクリエイティブ制作も、全て私が担当しています。

プロデューサーの齊藤に関しては、商品企画から、デザイナー、モデルを兼任し、撮影時のディレクションなども監修しています。

私やプロデューサーの齊藤は、「Darich」に関するほぼ全ての業務に携わっているといっても過言では無いくらいで、唯一携わっていない部分といえば、服の縫製くらいですね。

もともと「Darich」を立ち上げた当初から「Darichを後世に残るブランドにしたい」という想いがありました。

確かに、インフルエンサーとして齊藤には影響力がありますが、齊藤の人気に頼り続けていくだけでは、ブランドを継続させていくのはなかなか難しいと考えています。「Darich」を最初に知ったきっかけは齊藤だったとしても、「齊藤早紀のファン」から、いかに「Darichのファン」になってもらえるかということを意識し、ブランドとしての成長戦略を計画してきました。

その上で大事にしてきたのが、やはり商品の企画や質など「ものづくり」という点です。
他にはない「Darichでしか買えない」と感じてもらえるような、時季やトレンドに左右されないくらい良いものを作っていきたいと考えています。

そのために、毎月各店舗の店長が集まる「店長会」を開催しています。この会議では、新商品に対するお客様の声を共有したり、商品の細かいディテールから発売タイミングに至るまで「もっとこうしたら良かったよね」という点を話し合っています。ここでの意見を次の商品に活かし、PDCAサイクルを回しています。

極論になってしまいますが、人は服を買わなくても生きていけますよね。

でも、なぜ服を買うのかというと、服から得られる情緒的な ”付加価値” みたいなものを得るためだと思うんです。
「Darich」としては、この ”付加価値” = ”トキメキ” と “感動” の提供をブランドコンセプトに掲げており、ブランドの運営においてとても大切にしています。

そういった部分が、ファンの方にも伝わり支持いただけているのかなと思っています。

「導入しない理由が無い」Darichオムニチャネル化導入の背景


一番の理由は、店舗とオンラインストアの顧客情報の一元化と、ポイントの共通化をしたいと考えたことです。

Shopifyへ移行する前のカートシステムでは、オンラインストアでしかポイントの付与や利用ができない仕様でした。
当時、「Darich」の実店舗は、新宿店、梅田店、名古屋店と既に3店舗ありましたので、そろそろ店舗に来ていただいたお客様もポイントを利用できる状態にしないといけないと考えていました。

そこで、オンラインストアの制作を依頼している株式会社これからの待木さんにご相談したところ、「Shopify」とStack社の「VIP」、「Omni Hub」をご提案いただき、Shopifyへの移行を決めました。

以前のカートシステムと比較すると費用感は上がっているものの、その分やりたいことが実現できているので、その部分は気にならないですね。

もちろん中には、決まった店舗の決まったスタッフしか買わないという方もいらっしゃいますし、近隣に店舗が無い方は、オンラインストアで買うという選択肢しかないということはあるとは思います。

ですが、顧客情報の一元化とポイント共通化は、導入することでのデメリットが無いですよね。もっと言ってしまえば「導入しない理由が無い」のかなと思っています。

私達がせっかくブランドに対して真摯に向き合い、自信を持って良い商品を提供しているのに、「ポイントが使えない」などの点で、お客様にネガティブな印象を与えてしまうのは、ブランドとしては良くないことだと思っています。そう考えると「ポイントは共通化する」という選択肢しかないかなと考えました。

「Darich」のファンが喜ぶメンバーシップ・プログラムを構築していきたい


店舗スタッフは、お客様のお顔を見れば、新規のお客様か既存のお客様か概ね分かっていますので、新規のお客様のお会計時には、しっかりと会員登録のご案内をしています。

新規会員登録していただくと、その場で使えるポイントの特典も用意していますし、店舗のオペレーションが複雑にならないように配慮して設計しましたので、店舗スタッフも案内もしやすいのかなとは思っています。

「VIP」を活用して、メンバーシップ・プログラムを実施しています。

Darichメンバーシップ・プログラム:https://www.darich.shop/pages/membership

「Darich」ならではの特典としては、店舗イベント時に会員ランクの高い方が優先して店舗に入れるということが挙げられます。
齊藤が来店するイベントは、入店するために3~4時間待ちの行列ができてしまうことも珍しくないのですが、そのような状況でも、会員ランクが「VIP」や「VVIP」のお客様には、優先して店舗に入っていただけるようにしています。

「Darich」はコアファンの方も多く、そのような特典があることも良くご存じですので、限定の特典を目指して、会員ランクを上げたいと思う方も多いように感じています。

一方で、いわゆる「1ポイント1円」として利用できる、ポイント制度の基本的な仕組みも重要だと考えています。

女性の場合、洋服の他にも、コスメなど身の回りで必要なものや欲しいものが多いですよね。
ポイントという形で還元することで、お客様がお買い物をもっと楽しんでくれるといいなと思っていますので、これも非常に重要なことです。

しかし、このメンバーシップ・プログラムを初めてからまだ1年余りという状況ですので、これが完成形とは思っていません。
今後さらにお客様の声を聞きながら、「Darich」のファンのお客様が喜んでいただけるメンバーシップ・プログラムを作っていくことが、これからの課題だと思っています。

Darichメンバーシップ・プログラム 会員特典

店舗スタッフとカスタマーサポートチームが、本当のブランドの顔


お客様からのお問い合わせに対して、できるだけ真摯に迅速にご回答する。ということでしょうか。
オンラインストアには「お問い合わせ窓口」を設けていますが、最近ではInstagramなど、様々なチャネルからお問い合わせを受けることが増えています。

一般的には、お問い合わせ窓口をメールに限定したり、週末は返信を行わないなどのポリシーを定めているケースも多いと思いますが、「Darich」では、どのチャネルからのお問い合わせであっても、できるだけ早くご回答できるように努めています。

特にInstagramのDMに届くお問い合わせは、お客様が不安を感じていらっしゃる内容が多い傾向にあります。そのような不安は、すぐに解消してあげなければいけない。と考え対応しているのですが、このような点は「Darich」のカスタマーサービスの強みに繋がっているのではないかと思っています。

一見、プロデューサーである齊藤がブランドの顔だと思われがちなのですが、実際にお客様と直に触れ合うのは、店舗のスタッフであり、本社でメールや電話を受けるカスタマーサポートチームですので、店舗のスタッフと本社のカスタマーサポートチームこそ、本当の「ブランドの顔」だと思っています。

「ブランドの顔」となるポジションにいるスタッフ達には、「Darichのイメージは、みんなの言動で決まる。」ということもしっかりと伝えていますし、スタッフ自らが「Darich」というブランドを創っている意識を持てるようにすることを大事にしています。

“トキメキ” と “感動” をより多くのお客様へ「Darich」が描く今後の展望


「Darich」に関しては、今後も実店舗の出店を計画していますので、オンラインだけでは体験できないオフラインならでは魅力を多くの方に体験していただきたいと考えています。

店舗で実際に商品を手に取り、着用し、接客を受けることで、「Darich」がコンセプトに掲げている“トキメキ” と “感動”を直に味わっていただきたいですし、そのような機会をさらに増やしていきたいと思っています。

事業全体としては、女の子の身の回りのものを全て網羅できるようなサービスを提供していきたいと考えています。例えば、ネイルやコスメ・スキンケア、美容室、美容クリニックなどですね。

会社を設立した当初から、そのようなサービスも展開していきたいということを考えていましたので、新しいサービスにも、「齊藤早紀」ならではの感性を取り入れつつ、事業を展開していければと考えています。

SELVE(セルブ)については、2023年に立ち上げたばかりですので、まずは認知拡大を優先して進めていく予定です。

※この記事は、2023年12月に実施したインタビューに基づいて作成したものです。
※記事の内容は掲載時点のものです。


株式会社YSMについて


「世界中の人々に、幸せの1ピースを。」
時代の流れが目まぐるしいストレス社会の中、
弊社で作り上げる製品、サービス、価値を通して、
ほんの少しでも
トキメキと感動、幸せの1ピースの提供を目指します。

会社名:株式会社YSM
所在地:東京都渋谷区神宮前2-22-2 FOLD BLD. 3F
代表者:代表取締役 向井 翔太郎
業務内容:ファッション事業・ビューティー事業
Webサイト:https://ysm-inc.com/

オムニチャネル会員連携アプリ「Omni Hub」について


「Omni Hub」(オムニハブ)は、「店舗とECをつなぎ、購買体験をアップデートする」をミッションに掲げる、オムニチャネルでの顧客体験向上に貢献するアプリです。初期費用なし、開発不要でShopifyで構築したオンラインストアとスマレジで管理する店舗の間で顧客情報を一元化することで、共通でのポイント施策実施やメッセージ配信など、顧客体験の向上による売上増加をご支援しています。

本アプリは、Shopify Experts、スマレジ Developers Expertに認定されている株式会社フィードフォースが提供しています。(※2つの認定を有している国内唯一の企業です。)

「Omni Hub」サービスサイト : https://omni-hub.jp/
「Omni Hub」Shopifyアプリページ:https://apps.shopify.com/omni-hub?locale=ja
「Omni Hub」スマレジアプリページ : https://apps.smaregi.jp/apps/114
「Omni Hub」サポートページ:https://omni-hub.notion.site/Omni-Hub-00d28b314cfa4b27b4e1f470be99ac4b