1949年に岐阜県で創業し、設立74年の歴史を持つアパレルメーカー 株式会社水甚様。カジュアル衣料全般の企画や製造、総合スーパー(GMS)などのプライベートブランドのOEM生産事業を展開するほか、「ファーストダウン」や「アーノルド パーマー」、日本再上陸で注目を集めた「エディー・バウアー」などのブランドビジネスも手掛けています。
同社では、2021年4月にMIZUJIN WEBSHOP ( 旧Especially For ) を立ち上げた後、オムニチャネル会員連携アプリ「Omni Hub」や、クラウドPOSレジ「スマレジ」、会員プログラムアプリの「VIP」を導入し、店舗とオンラインストアの顧客情報一元化やポイント一元化を図り、オムニチャネル化を実現しました。
このMIZUJIN WEBSHOPでの実績を活かし、2023年10月にオープンした「エディー・バウアー」でもオムニチャネルでの顧客管理を行っています。
水甚様が、オムニチャネル化を推進された背景や、導入後の効果について、株式会社水甚 取締役本部長 中村様、商品本部 横矢様にお話を伺いました。
株式会社水甚/MIZUJI WEBSHOP
「FIRST DOWN」,「Arnold Palmer」,「Eddie Bauer」,「LibertyBell」といったブランドをはじめ、カジュアル衣料全般を企画、製造し、全国有名専門店、量販店、百貨店、スポーツ店、セレクトショップ(フリークスストア・ユナイテッドアローズ・ベイクルーズ 他セレクトショップ等)に販売するファッションメーカー
オンラインストア:https://shop.mizujin.co.jp/
インタビュイー
株式会社水甚 取締役本部長 中村 有孝様
株式会社水甚 商品本部 販売促進課 横矢 努様
自分達でも運用しやすいオンラインストアを目指し「Shopify」を選択
― MIZUJIN WEBSHOP ( 旧Especially For ) の立ち上げの経緯を教えてください。
中村様:オンラインストアを立ち上げた理由の一つとして、2020年に当社でライセンスを取得した「アーノルド パーマー」を国内展開していくにあたり、オンラインストアを立ち上げる必要があったこと。
加えて、当社では「FIRST DOWN」をはじめとするブランドを複数展開していましたので、それらのブランドのオンラインサイトを1つにまとめたいと考えていたことから、2021年に4月にMIZUJIN WEBSHOP(旧Especially For)を立ち上げました。
▼ MIZUJIN WEBSHOP:https://shop.mizujin.co.jp/
― オンラインストアに「Shopify」、店舗POSに「スマレジ」を選ばれた理由を教えてください。
中村様:MIZUJIN WEBSHOPの立ち上げ以前は、別のECプラットフォームを使用していたのですが、自分達で運用している中で『難しいな』と感じることが度々ありました。
新しいオンラインストアは、『自分達でも簡単に運用できるようなシステムにしたい』という思いから、色々な方に意見を聞いたり、私自身で調べたりしていたのですが、その過程で「Shopify」が候補として挙がってきました。
「Shopify」であればアプリを入れるだけで必要な機能を追加でき、簡単に運用していけそうだと感じ、導入を決めました。
「スマレジ」については、元々店舗では別のレジを使用していたのですが、リアルタイムでデータが取れる点や、UIが直観的で使いやすいという点が決め手となり、2021年6月~7月頃に全店で入れ替えを行いました。
― 導入から2年半ほど経ち、実際にご使用されてみたご感想はいかがでしょうか?
横矢様:私は今でこそオンラインストアの運営担当ですが、もともとは営業職でした。たまたまパソコンに詳しかったということで、MIZUJIN WEBSHOPの立ち上げ時に運営担当に抜擢されました。
ですので、オンラインストアの運営という面では未経験だったものの、「Shopify」「スマレジ」どちらも当初の期待通り操作も簡単ですし、問題無く利用できています。
お客様にブランドの価値を届け、長く関係性を築いていくために、オムニチャネル化を推進
― 「Omni Hub」導入の背景や経緯を教えてください。
中村様:MIZUJIN WEBSHOPの立ち上げ当初から、「店舗とオンラインストアのポイントを連携したい」ということを考えていました。それを実現できるアプリを探していたところ、スマレジ・アプリマーケットで「Omni Hub」を知り、お問い合わせさせていただきました。
― 貴社からは、2021年5月に初めてお問い合わせをいただきましたね。
当時、Omni Hubはサービス提供を開始したばかりで(※1)、今と比較すると機能もまだまだ少なく、ご要望になかなかお応えできない部分もあったと記憶しています。当時を振り返っていかがでしょうか?
(※1)2021年4月:Omni Hubサービス提供開始
中村様:当時はコロナ禍の最中で、他の企業が店舗とECのポイントを一元化するなど、ECへの誘導に成功し、売り上げを伸ばしているようなタイミングでした。
私達としては、『店舗としてはこうしていきたい』というようなゴールは描けていたものの、それを実現するためのシステム面に関してはわからない部分も多く、Omni Hubさんにも色々ご相談させてもらいました。
試行錯誤を行う中で、当時まだ実現できないものや、うまくいかないものもいくつかありましたので、そのあたりは少しもどかしく感じることはありましたね。
― 貴社からのご相談の中で、特に重要視されていたものに「会員ランク制度の実現」がありましたが、その理由をお聞かせください。
中村様:私たちが運営している「アーノルド パーマー」や「ファーストダウン」といったブランドは、世界中で長くファンの方に愛されることで続いてきたブランドです。
そのため、私達が日本でこれらのブランドを取り扱う際にも、ブランドを大切にしていただける方に価値をお届けし、長く関係性を築いていくことが大事だと考えています。
ですので、ブランドのファンの皆様と繋がり、愛用いただくメリットをご実感いただけるようにするためにも、会員ランク制度の導入は非常に重要だと考えていました。
会員ランク制度を通じて、ファンの方がより長く、より便利にご利用いただけるよう特典やサービスを提供していきたいと思っています。
― 「会員ランク制度」と同様に「モバイルアプリの提供」も重要視されていらっしゃいましたが、その理由をお聞かせください。
中村様:モバイルアプリについては、お客様がワンタッチでブランドとつながれることが大切だと考えているためです。
会員バーコードを表示する場合、ブラウザを毎回立ち上げるよりも、アプリから直接アクセスする方が手軽ですし、この方法がお客様にとって 「あたりまえ」の選択肢となりつつあると感じています。
例えば、「アーノルド パーマー」や「エディー・バウアー」の店舗はショッピングモールや百貨店内にあり、当然そこには多くの他のブランドも入っています。お客様の体験として、他のブランドで「あたりまえ」にできることが、私たちの店舗ではできない場合、不便を感じ満足度が下がってしまう可能性があります。
お客様により良い購買体験を提供していく上で、この 「あたりまえ」 に対応していくことは必要不可欠だと考え、モバイルアプリの導入も必須だと決めていました。
そのため、Omni Hubさんから「VIP」と「Appify」と連携し、会員ランク制度やモバイルアプリでの会員証表示ができるようになったと聞いた際には、すぐに話を聞いて導入を決めました。
― Omni Hubとしては、サービスリリース初期から貴社にご利用いただく中で得られた知見が、今のサービス提供内容に繋がっていると感じ大変感謝しています。
わずか2年半で会員数10万人突破!成長の背景にはブランドとお客様を大切にする想い
― 貴社は、Omn Hubで連携している会員数が2023年11月時点で10万人を突破しました。この数値に対するご感想や、会員数を伸ばすために注力されていた施策などがあれば教えてください。
中村様:「アーノルド パーマー」の店舗では、スタッフから積極的に会員登録を促しています。
会員数を伸ばす目的で行っていたというよりは、ブランドの運営を開始して約2年半、この初期の段階では、まずはお客様にしっかりとお声がけをしていくことが重要だと考えていたためです。
ですので、ご来店いただいたお客様に、店舗とオンラインストアの両方でポイントが利用できる点や、会員限定情報の提供など、会員登録のメリットをしっかりとご案内してきた結果、気付けば会員数が10万人に達していた。という感想の方が強いですね。
あわせて、「アーノルド パーマー」というブランドが持つ魅力、それに共感してくださる “ファンの存在” ということを改めて実感しています。
横矢様:週ごとに会員証の提示率を社内で共有しています。会員証の提示率が店舗単位でわかりますので、提示率が低い店舗にはフィードバックを行い、再度、会員登録のお声がけをスタッフに周知してもらうなど、各店舗の状況把握やオペレーション改善に活用させてもらっています。
― 今後、会員様との繋がりをどのように活かしていきたいとお考えでしょうか?
中村様:これまでは、オンラインストアの立ち上げやオムニチャネル化を実現するなど、運用体制を確立する初期の段階にあったと思っています。これからは、お客様にブランドを長期にわたって愛用していただくことの重要性が一層高まってくると考えています。
近年、様々なブランドでファンにメリットを還元する「ロイヤリティプログラム」が充実してきていると感じています。
当社の「ロイヤリティプログラム」の内容も、これから更に充実させていきたいと考えています。今後、ファンとの繋がりをより意識し、会員向け施策に積極的に取り組んでいきたいです。
まずは、現在10万人の会員データの中にはアクティブユーザーもいれば、休眠ユーザーも存在していると思いますので、今後「会員データの内訳」をしっかりと把握できるようにしていきたいですね。
特にアクティブユーザーに向けたアプローチは重視していますので、Omni Hubの機能に「会員データの内訳」がわかる機能を追加してもらえると嬉しいです。
▼ MIZUJIN WEBSHOP ポイントプログラム:https://shop.mizujin.co.jp/pages/point-program
お客様と真摯に向き合い、歴史あるブランドをさらに成長させていく
― 貴社が日本再上陸を手掛け、国内展開を開始した「エディー・バウアー」にもOmni Hubをご導入いただきました。2023年10月のオープンから約1か月が経過しましたがいかがでしょうか?
中村様:今回は、「アーノルド パーマー」の時よりも、各メディアに対してしっかりとローンチの発表ができました。お蔭でメディアに取り上げていただく機会も多く、従来のファンの方々にもご来店いただけるなど、好調なスタートを切ることができたと感じています。
オープンしたばかりということもあり、従来のファンの方から、以前の運営との違いに関するお問い合わせをいただくことも多いですが、これは「エディー・バウアー」が、長年にわたり多くの方に愛されてきたからこそだと感じています。
現在、横矢はじめECチームのメンバーが、お客様から寄せられるお問い合わせと真摯に向き合い、一つ一つ丁寧にご対応させていただいています。お客様の声を大切にし、関係を積み重ねていくことで、私達が提供する「エディー・バウアー」の商品も長く愛用していただきたいと思っています。
<参考:プレスリリース>
米国「Eddie Bauer(エディー・バウアー)」ブランド2023年10月6日(金)より日本市場で本格展開を開始
株式会社水甚は米国アウトドアブランド「Eddie Bauer(エディー・バウアー)」を2023年10月6日(金)より国内店舗/オンラインで本格展開を開始いたします。
プレスリリースURL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000064544.html
― 今後の展望について、お聞かせください。
中村様:「アーノルド パーマー」や「エディー・バウアー」など、歴史が長くファンも多いブランドを運営していますので、直近では現在取り扱っているブランドの運営に注力していく予定です。
このブランドを愛用して下さるお客様としっかり繋がりながら、歴史あるブランドを更に150年、200年と成長させていけるように、会員向けの施策に取り組んでいきたいと考えています。
Omni Hubには新しい接点を創出できる機能追加を期待
― 最後にOmni Hubに対するご要望などはございますか?
中村様:店舗受取りサービス(BOPIS)の機能追加をお願いしたいですね。
店舗受け取りができるようになることで、オンラインストアのみで接点を持っていたお客様に対しても、店舗のことを知っていただくことができ、お客様との新しい接点を生み出すことができるようになると考えています。
私達の店舗は、ショッピングモールなどアクセスしていただきやすい場所にありますので、ぜひ足を運んでいただき、様々な商品を直接見たり触れたりしていただきたいと思っています。
ブランドをより深く知っていただくために、「店舗受け取りサービス」は非常に重要な位置づけになると思っていますので、機能追加を期待しています。
― 「店舗受け取りサービス」や「店舗の在庫表示機能」は、マーチャント様からお問い合わせの多い機能ですので、今後、機能として提供していくことを計画しております!機能リリースまで、お待ちください。
※この記事は、2023年11月に実施したインタビューに基づいて作成したものです。
※記事の内容は掲載時点のものです。
株式会社水甚について
「FIRST DOWN」や「Arnold Palmer」、そして「Eddie Bauer」、「LibertyBell」といったブランドをはじめ、カジュアル衣料全般の企画と製造、販売に携わっています。私たちの製品は国内の有名な専門店や量販店、百貨店、スポーツ店、さらにはセレクトショップ(例: フリークスストア、ユナイテッドアローズ、ベイクルーズなど)で幅広く取り扱われています。
高品質かつスタイリッシュなアイテムを提供し、お客様のニーズに応えることに注力しており、独自のデザインと優れた品質管理により、常にお客様に満足いただける製品をお届けしています。
またお客様の多様なライフスタイルに合わせて様々なアイテムを取り揃え、ファッションの新しい可能性を探求しています。これからもお客様に喜ばれる製品を提供し、ファッション業界で一層の成長を遂げていくことを目指しています。
会社名:株式会社水甚
所在地:岐阜県岐阜市柳津町流通センター1-15-3
代表者:代表取締役社長 中村 好成
業務内容:カジュアル衣料全般を企画、製造し、全国有名専門店、量販店、百貨店、スポーツ店、セレクトショップに販売するファッションメーカー
Webサイト:https://mizujin.co.jp/
オムニチャネル会員連携アプリ「Omni Hub」について
「Omni Hub」(オムニハブ)は、「店舗とECをつなぎ、購買体験をアップデートする」をミッションに掲げる、オムニチャネルでの顧客体験向上に貢献するアプリです。初期費用なし、開発不要でShopifyで構築したオンラインストアとスマレジで管理する店舗の間で顧客情報を一元化することで、共通でのポイント施策実施やメッセージ配信など、顧客体験の向上による売上増加をご支援しています。
本アプリは、Shopify Experts、スマレジ Developers Expertに認定されている株式会社フィードフォースが提供しています。(※2つの認定を有している国内唯一の企業です。)
「Omni Hub」サービスサイト : https://omni-hub.jp/
「Omni Hub」Shopifyアプリページ:https://apps.shopify.com/omni-hub?locale=ja
「Omni Hub」スマレジアプリページ : https://apps.smaregi.jp/apps/114
「Omni Hub」サポートページ:https://omni-hub.notion.site/Omni-Hub-00d28b314cfa4b27b4e1f470be99ac4b