人口減少などの外部環境の激しい変化によって新規顧客との接点構築が難しくなる中で、事業者にとって「既存の顧客とのつながりを深め、関係を強化すること」はますます重要になっています。

こうした状況の中で、お客様とのコミュニケーションや利便性向上のためにメッセージアプリ「LINE」の活用を検討されている方も多いのではないでしょうか?実際に、店舗、ECの会員一元化をご支援する「Omni Hub」でも、「店舗とECを連携して、LINEで関係性を構築したい!」というご相談を多くいただきます。

しかし、事業者様の「LINEを活用したい」というご相談は、多くのケースで「他社がやっているから」「なんとなく便利そうだから」という、印象論に留まり、具体的な活用ケースをイメージできていないケースも多いです。

そこで本記事では店舗・EC連携におけるLINEの活用について解説します。

「なんとなく」LINE活用しようとしていませんか?

Omni Hubが「LINEを活用したい」というご相談をいただいた際にお伝えしているのが、「まずはどのようにLINEを活用したいのかを整理するべきだ」ということです。

「なんとなく」のLINE活用から一歩先へ進み、店舗とECを連携し、LINEをより効果的に活用するためのアプローチは、主に次の2つの観点に分けられます。

  1. 会員証の発行・提示をLINEからできるようにしたい
  2. 店舗・ECでの行動に基づいたLINEメッセージを配信したい

この後、これらの観点について事例も交えながらご紹介していきます。

会員証の発行・提示をLINEからできるようにしたい

会員証やポイントカードの提示、来店予約といった行動をLINE上で完結できるようにすれば、お客様の利便性が向上します。

特に、デジタル会員証のように頻繁に利用するものがLINEで簡単に提示できるようになると、お客様の負担を減らし、より快適な購買体験を提供できます。

Omni Hubを利用して、こうしたLINE上でのデジタル会員証表示を実現したい場合、LINEログイン機能を導入できるShopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」を併用することをおすすめしています。

LINEログインは、オンラインストアへの会員登録やログインを簡略化する手段の一つです。お客様のLINEアカウントを通じて、会員登録時のフォーム入力をアシストしたり、再ログイン時のID・パスワード入力の手間をなくしたりできます。

LINEアプリ内から数秒でデジタル会員証を発行・提示できるため、時間のないレジ前での登録促進などにおいて、活用事例が増えてきています。

例えば、Omni HubとCRM PLUS on LINEを利用している「PAPABUBBLE」様では、上述のLINEログインを導入することで、スムーズな会員証の発行や提示を実現しました。

CRM PLUS on LINEの導入事例記事で詳しく解説されていますのでご参照ください。

▼「PAPABUBBLE」様導入事例記事
店舗スタッフの目線に立ったオペレーション周知が肝!PAPABUBBLEに学ぶ EC・LINE連携会員証施策の導入・効果測定の実践

なお、ShopifyでLINEログインを導入するには、セキュリティの観点からShopifyのPlusプラン(Shopify Plus)の利用が必要です。

【参考】ShopifyでLINEログインなどのソーシャルログインを「安全に」導入するには?実装とセキュリティのポイント

しかし、ShopifyのPlusプランは比較的高額なため、利用を断念されるケースも少なくありません。その場合、LINE公式アカウントのリッチメニューに会員マイページへのリンクを設け、LINE内ブラウザで会員証を提示する方法もあります。

この方法では、上述のLINEログインを活用したケースと異なり、会員登録・ログインの際にメールアドレスやパスワードの入力が必要です。とはいえ、LINEアプリ内で会員証提示を完結させることは可能なため、お客様にとっての利便性は高いです。

「KEBOZ」様ではLINEログインを利用せず、スムーズな会員証提示を実現しました。

KEBOZ_load_flow

以下の事例記事で詳しく解説されていますのでご参照ください。

▼「KEBOZ」様導入事例記事

また、デジタル会員証の表示については、以下の記事もご参照ください。

店舗・ECでの行動に基づいたLINEメッセージを配信したい

商品やイベントなどの情報提供をLINEで行うことは重要ですが、お客様にとって関連性の低い情報を送り続けてしまうと、顧客体験の低下につながったり、配信通数増加によって費用対効果が悪化したりする可能性があります。

そのため、お客様の店舗とECの購買情報や興味・関心に合わせたコミュニケーションを取ることが重要です。

Omni HubとCRM PLUS on LINEを併用している事業者様の例をいくつか挙げて確認してみましょう。

例えば、「HEAVEN Japan」様では、店舗来店・購入者に対してGoogleマップのレビュー投稿依頼をLINEで自動配信し、レビュー取得に繋げています。

「HEAVEN Japan」様のnote記事で詳しく解説されていますのでご参照ください。

また、「育てるタオル」様では、LINEでID連携しているユーザーに対して「店舗での購入」か「ECでの購入」かで、配信するメッセージの内容やタイミングを変えたり、店舗に関するお知らせは来店したことがある方のみにお送りする、という工夫もしています。

CRM PLUS on LINEの導入事例記事で詳しく解説されていますのでご参照ください。

▼「育てるタオル」様導入事例記事
店頭購入者の6割がLINE連携 「育てるタオル」のLINE・EC・店舗を横断した体験設計

このように、店舗とECで統合された顧客情報を活用することで、「いつ・どこで購入したか」に関わらず、お客様一人ひとりに合わせたコミュニケーションを取ることができます。

その結果、より良い顧客体験が生まれ、長期的な関係構築にもつながるでしょう。

まとめ

本記事では、店舗とECを連携したLINEの活用として、以下の2つのポイントを事例を交えてご紹介しました。

  • 会員証の発行・提示をLINEからできるようにしたい
  • 店舗・ECでの行動に基づいたLINEメッセージを配信したい

自社にとって最適なLINE活用の方法を改めて整理し、今後の施策立案やツール導入の参考にしていただければ幸いです。

店舗とECを連携した顧客管理やLINEの活用についてのご相談があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください!