2026年3月4日、Omni Hubは初となるユーザー交流会を開催いたしました。本イベントには、Omni Hubをご利用いただいている複数の企業様にご参加いただき、近年ますます重要性が高まる「OMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)」をテーマに、各社の取り組みや現場でのオペレーション設計の難しさについて活発な意見交換が行われました。
本記事では、当日の様子をレポートとしてご紹介いたします。

生活の木、マザーハウス、NAILS INCが語るOMOのリアル – 店舗・ECの相互送客と現場への落とし込みとは?

懇親会内のプチセミナーとして、Omni Hubを活用してOMO施策を積極的に推進されている生活の木 中村様、マザーハウス 増田様、NAILS INC 宅野様にご登壇いただきました。各社のOMOへの取り組みと、現場で感じるリアルな課題をお聞きしました。

プチセミナー登壇風景
写真左から:NAILS INC 宅野様、生活の木 中村様、マザーハウス 増田様、
Omni Hub井形

全国に実店舗を展開する生活の木・マザーハウスが共通して注力しているのが、「ECから店舗へいかに人の流れを作るか」という課題です。

マザーハウスでは、店舗に置ける商品在庫数に限りがあることを踏まえ、オンラインストア上で各店舗の在庫状況をリアルタイムに表示しています。これにより、お客様の店舗への来店を促すとともに、スタッフへの在庫に関する問い合わせを削減する効果も生まれています。

マザーハウスオンラインストア:店舗在庫表示イメージ

また、各社が共通して実施している送客施策として挙げられたのが、「EC限定商品」や「特定店舗限定商品」の活用です。受注生産型の福袋のような、限定感のある商品を活用することで、普段は店舗のみをご利用のお客様にECを体験してもらうきっかけとすることができます。「別の購買チャネルをいかに試していただくか」という視点から、購買行動の幅を広げる工夫が各社で行われていました。

OMO推進において避けて通れない課題の一つが、本部主導の施策を店舗スタッフにいかに理解・実行してもらうか、という点です。

NAILS INCでは、過去に店舗スタッフの経験を持ちながら現在はEC運営を担う人材が、本部と現場の橋渡し役として活躍しています。現場の生の声を本部に持ち帰ったり、EC施策の結果についてお客様から直接フィードバックを得たりと、双方向の情報連携を実現されています。

生活の木が強調したのは、「いかに店舗スタッフの操作をシンプルにするか」という点です。店舗では接客・在庫管理・レジ業務など多岐にわたる業務をこなす必要があります。そのような環境に複雑なオペレーションを求めても、現場は混乱するだけです。スマレジ上での操作を「タグを1つ押すだけ」という形に絞り込むことで、スタッフが本来の接客業務に集中できる環境を整備されています。

また、地下や百貨店など電波環境が悪い場所での対応策として、Omni Hubの「レシート取引連携機能」も活用されています。お客様がその場でアプリを起動できずに会員証を提示できない場合でも、後からポイントが付与される仕組みを整えることで、スタッフが必要以上にお詫びをする場面を減らし、スムーズな接客につなげています。

最後に、各社の今後の展望をお伺いしました。共通するキーワードとして挙がったのは、「店舗体験の強化」と「インバウンド対応」です。

生活の木では、今後さらに店舗でのスクールやワークショップといった体験型コンテンツを拡充する方針です。それらの予約・管理をShopifyと連携させることで、イベントへの参加履歴を含めた顧客データをより詳細に分析・活用していきたいとのことでした。

NAILS INCは、店舗での施術サービスを通じて得られる接客データをカルテとして蓄積し、次回以降の接客に活かしていくことを検討されています。ECでは生年月日や住所といった情報を収集しやすい一方、店舗での接客から得られる定性的な情報もOMO戦略において非常に重要です。「店舗起点でOMOを考える」というアプローチを大切にしていきたいと語られました。

マザーハウスは、増加するインバウンド顧客をいかにブランドのファンとして育てていくかを次の注力テーマとして掲げています。シンガポールや台湾にも実店舗・オンラインストアを展開していることから、グローバルな環境においても顧客情報を一元管理できる体制の構築を目指しているとのことでした。

プチセミナー登壇風景

懇親会で飛び交った「明日から使える」情報

懇親会では、プチセミナーの後もカジュアルな雰囲気の中で活発な情報交換が続きました。店舗とECの連携施策を現場で推進する担当者同士だからこそ共有できる、実践的なノウハウが多数飛び交いました。
主なトピックをご紹介します。

  • 店頭購入品配送機能を利用する際の、店舗オペレーション・会計処理における注意点
  • 共通クーポン機能を用いた、LINE連携促進施策の具体的な取り組み
  • 来店チェックイン機能を用いた、イベント参加者管理とアフターフォロー施策
  • 会員項目連携機能を用いた、店舗独自の集客施策の実施方法
  • 店舗での会員登録率を向上させるために実施した、スタッフ向け施策の詳細
  • 「レシート取引連携機能」が会員登録率に与えた効果と実績
  • 店舗来店者に対するShopify Flowを活用した自動メール配信の設計と内容
懇親会風景

まとめ

店舗とECで顧客情報を統合するOMO施策は、小売事業者にとって今後ますます重要な経営テーマとなっていきます。しかし、実際に施策を推進するには、店舗との調整、システム・オペレーションへの落とし込み、そして社内の評価体制の整備など、検討すべき事項は多岐にわたり、担当者の悩みは尽きません。

Omni Hubでは、こうした課題に日々向き合うOMO推進担当者の皆様をつなぐ場として、今後も定期的なイベントの開催や個別相談会を通じたサポートを継続してまいります。
OMO推進に関するご相談やOmni Hubへのお問い合わせは、お気軽にご連絡ください。

※本記事は、2026/3/4に開催されたOmni Hubユーザー交流会の内容に基づいて作成したものです。
※記事の内容は、2026/3/4時点のものです。