実店舗ならではの接客や、商品を直接手に取って確認できる体験は、実店舗に来店するお客様にとって大きな魅力の一つです。
一方で、購入後の商品の受け取り方には、状況によって「持ち帰る」以外の選択肢があった方がよいと感じられる場面もあります。

たとえば、その後に予定がある場合や、すでに荷物が多い場合、悪天候の日など、「今日は持ち帰らずに、自宅や指定の場所で受け取りたい」と考えるケースも少なくありません。

こうした場面で、店舗での体験はそのままに、受け取り方の選択肢を広げる仕組みとして注目されているのが、「店舗で買って自宅で受け取る仕組み(以下、『店舗購入品配送』)」です。

本記事では、「店舗購入品配送」の概要と、導入によって得られるメリット、運用時のポイントを整理してご紹介します。

「店舗購入品配送」という体験の戦略的意義

「店舗購入品配送」とは、店舗で決済した商品をその場で持ち帰らず、後日自宅や指定の場所へ配送する仕組みです。

従来より百貨店などでは店頭で購入した商品の配送サービスが実施され、お客様にとって「手ぶらで帰れる」という便利な体験が提供されていました。
近年のOMO(Online Merges with Offline)の文脈における店舗購入品配送も、こうした利便性を重視した取り組みとして検討されることがあります。
その一方で、近年では利便性の提供にとどまらず、より戦略的な意味合いでも注目されています。

戦略的な意味合いの一つ目は、店舗在庫の最適化という観点です。全国各地の店舗に一定量の商品在庫を設置することは、在庫数の肥大化や、在庫の店間移動数の増加を招き、在庫リスク・コストの増大につながります。しかし、店舗で購入した場合でも倉庫から発送できる仕組みを整えることで、必要在庫数を減らすことが可能になります。
これにより、欠品リスクと在庫ロスの双方を抑え、店舗では、売れ筋や展示に集中した柔軟な在庫構成が可能になります。

二つ目は、顧客接点強化の観点です。店舗での購買データを会員情報と紐づけることで、購入後のフォロー施策や再来店促進といった、その後の顧客との関係構築に活かすことができます。

このように、店舗購入品配送は、お客さまの利便性を高めつつ、店舗在庫の最適化と顧客との関係性の深化を同時に実現できる、チャネル横断の施策と言えるでしょう。

「店舗購入品配送」で実現される4つのメリット

具体的にこの仕組みを導入することで、どのような課題解決やメリットが生まれるのでしょうか。4つのポイントに分けて解説します。

店舗で商品を購入し、その場で持ち帰ることには、購入した商品をすぐに手にできる嬉しさや、ショッパーを手に街を歩く楽しさといった、実店舗ならではの体験価値があります。

ただ、天候やその後の予定、すでに持っている荷物の量によっては、「今日は荷物を増やしたくない」「大きな商品は持ち帰るのが大変」と感じる場面も少なくありません。
特にアパレルやインテリア雑貨、家具など、商品サイズが大きかったり点数が増えやすかったりする業態では、こうした事情が購入の判断に影響することもあります。

そこで近年は、店舗で決済した商品を自宅へ配送できる仕組みを用意する企業も増えています。
BEAMS(ビームス)では、「店舗購入後 配送サービス」を提供し、買い物後の予定や天候を気にせずショッピングを楽しめる環境づくりを進めています。

BEAMS 店舗購入後 配送サービス:https://www.beams.co.jp/special/service/service01

また、RANDA(ランダ)でも、「自宅で受け取りサービス」として、手荷物が多い場合などの利用を推奨しています。

RANDA 自宅で受取りサービス:https://www.randa.jp/shop/pages/o2o.aspx

「店舗で買って自宅で受け取る」という選択肢があることで、お客様はその日の状況に合わせて受け取り方法を選べるようになります。
持ち帰る体験の楽しさを残しながら、必要なときには配送を選べる柔軟さが、購買体験の向上につながります

近年、常設店舗という形態ではなく、よりライトに全国各地のお客様と接点を持つ手段として、ショールーム型店舗やポップアップストアに挑戦される企業も増えています。
それらの特徴として、従来のような一定量の在庫を店舗に持つ運営スタイルとは異なり、限られたスペースや短期間での出店といった制約が存在することが多く、十分な商品バリエーションを展開できなかったり、人気商品が欠品してしまうリスクを抱えてしまうケースも少なくありません。

こうした制約のある環境においても、購入から配送までをスムーズにつなぐ運用ができれば、店舗や会場に存在する在庫以上の商品の購入機会を提供することが可能になります。

お中元やお歳暮、結婚祝いや出産祝いなど、ギフト需要においても配送機能は必要です。 
特に観光地や食品・雑貨店では、「旅先で見つけた良いものを知人に贈りたい」というニーズが存在します。

従来、配送伝票の手書きはお客様にとって面倒な作業であり、書き損じのストレスもありました。 「店舗で買って自宅で受け取る」仕組みをデジタル化することで、スムーズな配送手続きを提供でき、ギフト購入の心理的ハードルを下げることができます。

配送対応は、実はお客様だけでなく店舗スタッフにとっても負荷の高い業務です。

  • 配送伝票の手書き依頼
  • 住所の読み間違いや転記ミスのリスク
  • 配送料金の計算やレジ打ち

これら一連のアナログ作業は、時間がかかるためレジの滞留を招き、他のお客様をお待たせする原因にもなります。配送手続きをシステム化・効率化することで、スタッフは複雑な事務作業から解放され、商品の提案やお客様とのコミュニケーションといった本来注力すべき「接客」に集中できる環境が整います。

さらに重要なのは、店舗での接客がそのまま店舗売上につながる導線を作れる点です。
店舗で丁寧に接客を行ったにもかかわらず、最終的な購入がECに流れてしまう状況は、店舗としては販売機会の損失であり、それに伴って店舗スタッフの接客モチベーションを低下させることにもつながります。

店舗で決済し、そのまま自宅へ配送できる仕組みがあれば、スタッフの接客を起点に購買まで完結させることができ、接客価値を確実に売上へとつなげることが可能になります。
結果として、スタッフの納得感ややりがいを維持し、店舗の売上最大化を目指す運営が実現できます。

「店舗で買って自宅で受け取る」を実現するうえでの留意点

メリットの多い店舗購入品配送ですが、導入、実装にあたってはいくつかの留意点があります。

複数の拠点で在庫を管理している場合、店舗にある在庫を梱包して発送するのか、EC倉庫(物流センター)から発送するのか、など体制を社内で整理しておくことが必要です。

誰が、どのタイミングで、何を行うかを具体的に設計する必要があります。
前述した「配送先情報の入力」以外にも商品の梱包や出荷業務などが発生します。
この際、誰が、何を行うのかがオペレーションとして整備できていない場合、配送漏れやスタッフの困惑などに繋がります。そのため、運用開始する前にオペレーションの設計は必要不可欠です。

Omni Hubで「店舗で買って自宅で受け取り」をスムーズに実現

もし、「Shopify」と「スマレジ」をご利用中であれば、Omni Hubを使うことで、簡単に「店舗で買って自宅で受け取る」仕組みを実現できます。特別な開発も不要です。
店舗で支払いを済ませて、お客様のスマートフォン上で配送先情報を入力いただくことで商品の配送に関わる作業以外を店舗で完結することができます。

まとめ

店舗購入品配送は、実店舗の接客や商品体験を活かしながら、お客様の利便性と店舗運営の効率化を両立できる、店舗とECをつなぐ取り組みです。

お客様により良い購買体験を提供し、店舗での販売機会を広げていくためにも、ぜひ貴社の運用に合わせた活用方法をご検討ください。

「Omni Hub」を活用した店舗購入品配送やOMO施策についてご関心がございましたら、お気軽にOmni Hubサポートチームまでご相談ください。