リピーターやファンの獲得、来店・購入促進を目的とした「店舗・EC共通の会員プログラムの導入」は多くの事業者様が取り組み始めているテーマです。
店舗・ECの会員情報一元化をご支援する「Omni Hub」にも、「店舗・EC共通のポイント施策を開始したい」といったご相談も多くいただきます。

とはいえ、「お客様から要望を受けたから」「他社がやっているから」といった受動的な理由を起点として検討するケースも少なくありません。
しかし、会員プログラム(メンバーシップ、ロイヤリティプログラムと呼ばれることもあります)は、お客様の買い物の満足度に繋がる要素の一つですので、どのようなパターンが採用できるのか、自社に合ったものがどのようなものであるのか、あらかじめ考えることが重要です。

会員プログラムは、「ポイントの付与・利用の仕組み」と「会員ランク制度」という2つの観点で設計を行います。自社に合った会員プログラムの考え方については、以下の記事もご参照ください。

<参考記事>
メンバーシッププログラムの設計|5つのタイプの特徴を徹底解説

本記事では、店舗・ECの会員情報一元化としてOmni Hubを利用する場合に実現できる「店舗・EC共通の会員プログラム」の代表的な5つの構成パターンについて、ポイント・会員ランク管理の手法や、それぞれの特徴、実際の事例をご紹介します。

Omni Hubと連携アプリで実現する会員プログラム構成パターン

Omni Hubを利用する上では、事業者様のやりたいことをもとに、複数のポイント・会員ランク管理アプリの中からどのような会員プログラム構成が良いかを考えることができます。

検討を進めるうちに「会員プログラムにはポイントが必須だと思っていたが、やはり不要だと思った」「会員ランク管理は不要だと思っていたが、上顧客様により還元するためにやはり必要だった」と考える事業者様も多いです。
構成ごとの特徴を俯瞰しながら、自社にあった構成を考えていきましょう。

主に採用される構成ごとの対応可能な機能や概算費用は、以下の通りです。

※各構成の費用は、会員数や年商に応じて異なります。詳しい価格については別途お問い合わせください。
なお、本記事では会員数2,000人を想定した概算費用を記載いたします。事例掲載している企業の会員数・費用を示すものではありません。

この後、各構成の特徴や利用事例を見ていきましょう。

利用アプリ:Omni Hub
Omni Hubポイント管理機能:https://omni-hub.notion.site/3c89b6f9325242b2ae90aece9d053fa9

Omni Hubを利用した会員プログラム構築の中で最もシンプルな構成です。
お客様がお買い物をすると次回使えるポイントが付与され、それを1ポイント=1円として、店舗とECで利用できます。

「シンプルなポイント施策でスタートしたい」という事業者様において採用されるケースが多いです。ポイント施策以外にメッセージツールを活用して、お客様の属性や行動に合わせたご案内を送るなどで特別感を演出し、ロイヤリティ施策に取り組む事業者様も多いです。

利用アプリ:Omni Hub + らんキィ
らんキィ:https://apps.shopify.com/ranky?locale=ja

会員ランク制度を設けた会員プログラムを構築できます。
お客様をランクごとに区分けし、それぞれのランクに応じた特典を提供することで、ブランドとお客様の関係性をより深めたい事業者様に適した構成です。

特定期間の累計購入金額や回数で会員ランクが決まり、お客様はランクによって特典を得ることができます。会員特典として、クーポンの配布、限定商品・ノベルティのプレゼント、先行販売通知やイベントへの招待など、企業やブランドのファンの方が思わず嬉しくなるような内容を用意することで、より深い関係性の構築が期待できます。

  • 目安月額費用:35,000円〜(会員数2,000人の場合)

利用アプリ:Omni Hub + どこポイ
どこポイ:https://apps.shopify.com/dokopoi?locale=ja

ポイントを軸に高度な会員プログラムの構築ができます。幅広く柔軟にポイント施策を実施したい場合において採用される構成です。

お客様の購入に対するポイント付与だけでなく、「誕生日ポイント」や「会員登録ポイント」など、お客様の属性やアクションに応じたポイント付与ができます。
また、商品や販売店舗毎にポイント付与率を設定するなど柔軟な販促活動に繋げることができます。

利用アプリ:Omni Hub + らんキィ + どこポイ
らんキィ:https://apps.shopify.com/ranky?locale=ja
どこポイ:https://apps.shopify.com/dokopoi?locale=ja

会員ランクとポイント制度を組み合わせることで、より自由度の高い会員プログラムを構築することができます。一定の投資を行いながら、ロイヤリティ施策へ取り組んでいく場合によく採用される構成です。

たとえば、特定期間の累計購入金額や購入回数に応じて会員ランクが決まり、ランクに応じてポイントの付与率が変動する、という「よく見る会員プログラム」を実現することができます。
貯まったポイントは次回以降の買い物に利用できるほか、上位ランクの会員様には、先行販売への優先アクセスや名入れ・刻印サービス、特別イベントへの招待など、“特別感”のある体験を通じて、お客様のロイヤリティを一層高めることが期待できます。

また、らんキィ・どこポイはどちらも月額費用の上限が設定されているため、「会員数が増えることで費用が青天井になってしまうのでは……」という従量課金への不安を感じにくい点も特徴です。

利用アプリ:Omni Hub + VIP
VIP:https://apps.shopify.com/vip?locale=ja

1つのアプリ内で会員ランク管理とポイント施策を包括的に運用でき、自由度の高い会員プログラムを構築できます。一定の投資を行いながら、ロイヤリティ施策に取り組んでいくケースで採用される構成です。

パターン④と同様に高度な会員プログラムを構築できるほか、「VIP」提供元企業が提供するモバイルアプリ構築アプリ「Appify」とシームレスに連携できることが特徴です。
アパレル事業者様など、Omni Hubを利用する事業者様で多く採用されている組み合わせです。

まとめ

本記事では、Omni Hubを活用した店舗・EC共通の会員プログラムを、5つの構成パターンに分けてご紹介しました。

シンプルなポイント施策を行うケースから、ランク制度を設けた高度なプログラムまで、目的やフェーズに応じた選択肢があります。

個人的には、会員プログラムを考える際に重要なのは、「ポイントはお客様との関係構築の手段の1つであり、ポイントを利用してどのような顧客体験につなげるのか」という全体設計だと考えています。
複雑なポイント施策は、お客様にとって魅力が高まる可能性もありますが、運用に要する費用や時間的な労力も大きくなりがちです。
各パターンの特徴や費用を踏まえつつ、自社にとって最適な構成はどれか、自社が提供したい体験はどのようなものかを検討していただければ幸いです。

会員情報の一元化や会員プログラムの設計など、ご相談がございましたらお気軽にお問い合わせください!